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2011年2月27日

母校での特別講義で話したこと

先日、母校にてスポーツ体育科で特別講義をさせて頂きました。
なので、今回はそのときに生徒にお話した内容を
ご紹介させていただきたいと思います。

みなさんがスポーツをする中で必ずスポーツ医学に関わる事があると思います。
そこで、スポーツ医学とは何なのかまずは簡単に説明させていただきます。

スポーツをしているといろいろな怪我をします。(受傷)
    ↓
そして病院や治療院などで医師が怪我の程度、部位などを診断します。(診断)
    ↓
怪我したところにはシップを貼ったり、痛み止めの薬を貰ったりして応急処置をし、治療もします。
    ↓
治療が済むと競技復帰に向けて衰えた筋肉や動きなどのリハビリを行うことによって回復させていきます。
    ↓
通常は競技復帰したら、それで終わりと思ってしまう選手が多いのですが、
競技復帰したら全てが終わりではなく、
競技を行いながら平行してコンディショニングをすることも
スポーツ医学の一つということが今後、
更に浸透していかなければいけない考え方だとおもいます。
このコンディショニングこそが私たちトレーナーの仕事の大きな部分でもあります。

近年では、高齢化社会や健康ブームによる体力と健康の維持のために
スポーツを行う人口増加によって
一般の方でもスポーツで怪我をする機会が増えてきています。
一般の方だけでなく、競技としてスポーツをしている人でも高度な技術が必要になる為、
スポーツをするうえで練習の質の向上などが原因により、
肉体的・精神的なストレスが増えスポーツによる怪我をする人も増えています。
(昔は難しい戦略も今では当たり前になり、もっと複雑な戦略になってきている)

怪我と一言で言っても、知らず知らずのうちに痛くなってきたものや、
一瞬で痛めたものなどいろいろあるとは思いませんか?
皆さんも経験したことあると思います。

スポーツによる怪我には大きく2つに分ける事が出来ます。

野球でボールを当てたり、バレーやバスケでジャンプして足を挫いたり、
急に痛めてしまったことがある人もいると思います。
それが1つ目のスポーツ外傷と言います。
難しく言えば、1回の強い力が加わることによって発症するものを言います。
これは予期しない事態からなることが多いため防ぐことはとても難しいです。

2つ目は、日に日に痛みが増してきたり、痛みが出たり、
消えたりを繰り返すようの痛みが出たことがある人もいると思います。
これが二つ目のスポーツ障害といいます。
局所に反復した小さな外傷(負担)が加わり発症するもので、
例えば陸上の長距離選手に多い疲労骨折がこれに当てはまります。
疲労骨折は長い距離の走りこみなどのハードな練習を繰り返し行うことにより、
脛に負担がかかり脛の骨が骨折したようになるものを言います。
これらは、日ごろからのケアで防ぐことがいくらでもできます。

ただ、スポーツ外傷も日ごろの疲れが溜まっていて、
いつも通りのパフォーマンスを出来ない状態の時に起こることが多いため、
スポーツをする現場において
スポーツ外傷とスポーツ障害を明確に区別することは難しいです。
そのため、2つをあわせてスポーツ傷害とよんでいます。
これは、言葉の違いなので頭の片隅にでも置いといてください。

しかし、怪我を恐れて練習をしなければ競技レベルの向上は絶対にありません。
練習しながらその中で皆さんに競技レベルを上げて頂くには
二つ目のスポーツ障害を自分自身で防いで、
よりよい質の練習を続けてもらいたいと思います。

ここで重要になってくるのがコンディショニング(ケア)になります。
私たちのようなトレーナーについてもらい
競技をしていくことが一番良いのですが、
それは時間や場所、金銭面などさまざまな理由により難しいと思います。

では、痛いときのケアはどうしますか?

痛いところをやる人がほとんどだと思います。

一言にコンディショニング(ケア)と言っても
痛いところ、疲れを感じるところだけを
マッサージやストレッチをしてもよりよい効果は期待できません。

そこで、マッサージをする場所やストレッチの仕方を教えても
体の仕組みを知らないのと知っているのでは効果に違いが出るため、
まずは腕を動かしたり、足を上げたりといういろいろな動作をするために
私たちの体の中では筋肉はどのように動いているか簡単に説明させて頂きます。

例えば、力こぶを作る(肘を曲げる)動作で説明します。
筋肉を動かすときには必ず主として動く筋肉(主力筋)と
主に対して抵抗する筋肉(拮抗筋)とがあり、
私たちは体をスムーズに動かすことが出来ます。
皆さんは体を簡単に動かしていますが、
体の中ではいろいろと複雑なことが起こっているのです。


力こぶを作る際の主力筋は上腕二頭筋となります。
主力筋が動いたときにサポート役として一緒に動く筋があり、それを協力筋と言います。
このときの動きの協力筋としては上腕筋という筋があります。

そして、主力筋の上腕二頭筋と協力筋の上腕筋が縮まることによって、
肘を曲げる動作ができるのです。
今皆さんもやってもらえばわかると思いますが、
肘を曲げると反対側の筋肉が引っ張られる人もいると思います。

そのとき引っ張られている筋が拮抗筋となります。
主力筋と協力筋が縮まることに対して
拮抗筋は伸びることによって肘が曲がる動きを作っています。
力こぶを作る動作では、上腕三頭筋が当てはまります。

肘を曲げる動き一つをとってもこのように
いろいろな働きが体の中では起きています。
このように筋肉の仕組みを少しでも知ることが
怪我の予防には最も重要なことだと思います。

そして、この仕組みが疲労の蓄積などによって崩れてくると
肉離れなどのスポーツ障害を引き起こすことになります。
肉離れは前の筋肉(大腿四頭筋)と後ろの筋肉(大腿二頭筋)の
バランスが崩れるために起きます。

では、少し体の仕組みがわかったところで
本題のコンディショニングの話をしていきたいと思います。

先ほど、皆さんに痛い所だけをやっても
より良い効果が出ないと言いましたが、
基本的には痛いところを治療してもらっていいのですが、
それだけでは治らない経験をした人もいるのではないかと思います。

皆さんがよく治療と言っているのは、
痛いところを治療するのを想像すると思います。
それは主力筋と協力筋がうまく縮まることが出来なかったり、
拮抗筋がうまく伸びることが出来ないために
動きが悪くなり痛みを感じることが多いのです。

怪我と言うとい痛みを伴うものを思い浮かべることが多いと思いますが、
でも皆さんはいつも何処か痛いと思うことより
なんとなく調子が悪いと思うことのほうが多いと思いませんか?

そんな時体ではどんなことが起きていると思いますか?
例えば、皆さんが何人かグループで教室の掃除をしていたとします。
そのグループの何人かが掃除をしないで
サボっていたとしたら残りの人たちはどうなりますか?
サボっている人の分まで頑張って掃除をしなければならなくなり、
一人がする仕事の量は増えるわけです。

筋肉にも同じことが言えるのです。
何か運動をしようとしたときに、筋肉は一つで動くことはなく
先ほど話した協力筋などと一緒に働きます。
そのときに、いくつかの筋肉が動かずにサボっていたらどうなりますか?

そのため、そこの筋肉が疲労して疲れたと感じるわけです。

では、皆さんは掃除をサボっている人がいたらどうしますか?
注意する人もいれば、先生に報告をして
先生に注意してもらう人などもいると思います。
そうすれば、サボっている人もしっかりやってくれると思いませんか?

筋肉にもサボっているやつに注意してあげれば
しっかり働いてくれるわけです。
ひとつの筋肉にかかる負担を分散してあげることにより
疲労を取りやすくし、疲労しにくい筋肉になっていくわけです。

その注意をするのが、私たちトレーナーの仕事であり、
マッサージや鍼などを使って筋肉にアプローチしていくわけです。

その筋バランスを整えながら練習を続けていくことによって、
パフォーマンスが向上していくわけです。

以上のことからケアの大切さを少しでも
理解して頂けたらと思います。

【伊藤】

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