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2011年5月10日

「血行・血流を良くすること」の大切さ

みなさん、GWはどうお過ごしだったでしょうか?
3.11以来の緊張感が続いていた人も多いと思いますが、
うまく休んで溜まった疲労を回復できましたでしょうか。

地震や原発といったことに、
どのように接して捉えていくか、一人一人に日々判断が迫られている、
しんどい状況が続いています。
一指圧師として、そういった疲労にも、少しでも寄り添っていきたいです。

さて、今回は、「血行(血流)」のお話をしたいと思います。
「血行を良くしましょう」と様々なところで言われている、血行です。

「良くするといい」のはなんとなくわかるけれど、
そもそも血行ってどういうものなのか。なぜ大切なのか。
どんな不調に関係してくるのか。
そんなことを、考えてみたことがありますでしょうか。

 *

血というと、身体の中で、栄養や酸素、水分を運ぶもの。
あるいは、不要なものを運び去るもの。
そのあたりはご存知だと思います。
最も単純化すると、人体の中の運搬路です。

(ちなみに、上記以外にも、
 身体を調節するホルモンや、熱、免疫に関わる細胞なども運ばれます。
 血液といってもただの液体というより、
 「臓器」と形容されることもしばしばある、
 非常に優れた機能をもったものです。)

普段の生活では血流はほとんど意識に上りませんが、
もし血流が届かなければ、
細胞は呼吸もできなくなるし、生きるための材料もなくなります。
血流は、各組織が正常に働くかどうかに、
致命的に重要な役割を果たしています。

身体の組織が完全に健康な状態と、死んでいる状態の間には、
とても広い「グレーゾーン(≒健康度)」が広がっています。
その領域では、ただ単に「血が流れているかどうか」ではなく、
「適切な量が必要なところに流れているか」
ということが重要になってきます。

「適切な量」は、一日中絶えず変動しています。
また、血液(とその成分)の量には限りがあります。
限られた量を、需要に応じて供給する。
ただ闇雲に流れれば良いというわけではなく、
需要に応じて供給できていることが、
本当の意味で「血行が良い」状態だと言えるでしょう。

 *

需要と供給というと、
人間社会の経済を想像してもられえれば良いと思います。
例えば、社会における食料の供給。
供給側は、社会の隅々からの需要に応じて、食料を物流に乗せます。
需要側は、どのくらい必要かを把握し、供給側に(階層的に)伝えます。
天候や社会情勢等の影響で、全体の供給には波があります。
それでも、なるべく安定して隅々に行き渡るように、
原料、生産、出荷、販売などの様々な段階で、
連絡・調整がされています。

自分の元に食物が届くというのは、
平時には当たり前のようですが、実は複雑な調整の上に支えられています
(これは、震災での物流の混乱でも、実感させられたことでした)。

身体レベルに話を戻すと、
血流においても、様々な段階での調整が行われています。
人間の行動(都合)によって、供給量も需要も大きな波があるにも関わらず、
60兆ともいわれる細胞に対して絶え間なく供給されているというのは、
中枢(脳)から個々の細胞までの、
絶え間ない連絡と調整の上に成り立っているものです。

しかし、調整がされているにも関わらず、
実際には、不足したり滞ったりするのはなぜでしょうか。

 *

血流は、全身的には、
心臓から拍出される量、血圧と血管抵抗、血液の量、
などといった要素で変化します。

局所的には
(つまり個々の器官、組織、部位等に行き渡るかどうかには)、
上記の要素に加えて、
局所ごとの状態に応じた、末梢の血管の拡張/収縮
といったことが関係しています。

さらに、
他の器官・組織に血液が奪われてしまい、
必要としている末端まで回らないこともあります。

これらの要素が、全身全てにおいて過不足なく調節できれば良いですが、
生活の疲労・無理や環境の要因とも相まって、
局所(あるいは全身)的に不足したり滞ったりしてきます。

各要素の調整を行っている仕組みの一つに自律神経が挙げられます。
この自律神経は生活の中で不調を起こししやすく、
緊張(交感神経優位)が続くことでその調節がうまく働かなくなることがあります。

また、血管は筋などの軟部組織の間を通っていますが、
こうした組織が硬くなったり張ったりすることで、
流れを阻害することも考えられます。

生きていれば血は流れていますが、
健康を保つためには、とても繊細で難しい調節が関わっていること、
少しイメージしていただけますでしょうか。

 *

そうした血流の滞りに対して、
指圧でのアプローチに少し触れておきたいと思います。

血流は、当たり前ですが、身体のどの部位にも必要です。
「冷え性」などの場合は、血行改善が必要なのはイメージしやすいですが、
膝が痛くても、肩が動かなくても、胃の調子が悪くても、足が重くても、
悪化した状態が改善されるために、
血流が適切であることはとても大切なことです。

上で触れたように、
血流は症状のある箇所(局所)の問題であることもあれば、
そこに至る上流で阻害されていたり奪われていたりすることもありますし、
自律神経や全身的な状態にも大きく影響を受けているわけです。

ですので、幅広い症状に対して、
症状のある局所や、そこに至る部位の血流の阻害を指圧で緩和したり、
全身や局所の緊張を解くことで自律神経の調節の力を取り戻したりすることは、
有効なアプローチとなると思います。

単に「辛いところを揉む」ということではなく、
このような考え方で、全身の繋がりを意識して、
症状に関係する部位を見立てて指圧していくことが大切だと考えています。

また、そうした指圧をしていくことで、
身体の血流の調整を手助けし、時々メンテナンスしておくことが、
全身的な状態の改善につながる良い方法だと思います。

 *

最後に、先程も書いたように、
どのような局所の症状の回復にも、血流は関係してきます。

膝が痛い、肩が動かない、胃の調子が悪い、足が重い…
そういった局所症状の場合、ついその局所だけに目が向きがちですが、
回復のために、指圧だけでなく、少し日々の生活にも気を遣ってあげてください。

日頃の体温調節や、適切な運動ですとか、
食事や疲労の回復などは、全身の血流の良しあしに関わってきます。
そのような繋がりを少しイメージすることも、
身体の改善には役立つと思います。

 

【鈴木】

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