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2010年12月30日 (木)

『生命と食』を読んでみる

いよいよ2010年も終わり。
2010年の終盤、いかがお過ごしでしょうか。

今回は、一冊、本を紹介しようと思います。
ちょっと前、2008年の本ですが、『生命と食』という、薄いブックレットです。

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『生命と食』 岩波ブックレット
著:福岡伸一

著者は、『動的平衡』などのベストセラーで知られる、
生物学者の福岡伸一さん。

福岡さんの本の中で、この本は言葉がわかりやすく、
科学はよくわからん、という方にもお勧めです。

 *

私たちが、「健康でいるにはどうしたら?」ということを知り、実践するために、
「そもそも、生命ってどういうもの?」ということを考えることは、
本来は避けて通れない、大切なことだと思います。

健康に対する考え方は人それぞれで、
さまざまな、健康に関する物、手法、行動などがありますが、
根本的には、その人の「生命」についての考え方、認識が、
どんな物、手法、行動を選ぶかに大きく影響しています。

この本は、そんな「生命の捉え方」についての大事なポイントに、
できるだけやさしく答えようとしている本です。

「答えようとしている」と書いたのは、
簡単に答えられることでは無いため、実際にはヒントの一端が書かれている本、
というくらいなのかもしれないからですが、
個々の説の真偽はさておき、大切な問題が提起されていて、
全般的に共感する点が多かったので、お勧めしたいと思います。

 *

さて、まだまだ浅学ながら、少しだけ内容を紹介していきましょう。

著者は、この本全体にわたって、
生命から部分は取り出せない”(p.17)ということを、強く訴えています。

「自分」と「目の前の食べ物」は、普段、一見全く別のものだという認識しがちだけれど、
実際は「目の前の食べ物」が自分になり、「前の自分」は排出されて自分ではなくなる。
このサイクルを広く考えると、「自分」と「食べ物」は別のもののようで、
全体としては常に流れており、分けられず、繋がっている。

今書いたのは、食を例にとった話ですが、このことは食だけでなく、
生命の捉え方全体に関わってきます。
問題は、部分には分けられない生命を、
あたかも分けられるもののように考え、扱ってしまっているという“幻想”(p.19)にあると、
筆者は指摘しています。

著者は狂牛病研究の専門家です。
特に狂牛病を引き起こした人の行動や、狂牛病対策が、
いかに「部分的な考え」に基づいて行われ、
そのことが食の安全、ひいては人類の生命を脅かしている、という点について、
多くの紙面が割かれています。

他にもさまざまな話題について触れられている本ですが、
この本を貫いているのは
「生命を理解しようとするなら、もっと全体を見ないといけない」という
訴え、問いかけです。

 *

はたして、全体を見るとは、どういうことでしょうか。

たとえば、自分の食べたものが、どこから来たのかに注意を払う。
食べたものが、どうなっていくのかを想像する。
今の自分の行動が、周りの人、社会、自然にどんな影響を与えているか想像する。
短期間の結果だけではなく、中期、長期の結果も考える・・・。

自分の身体についても、全体を見るか、部分を見るかで、違いがあります。

年老いていくにつれて、部分部分は機能を落としていきます。
その「部分」、つまり症状の起きている場所だけを見るのか。
それとも、時間や、身体全体、心理面、社会面、
さらには親や子など、もっと広い「全体」を見るのか。

全体を見るのは、簡単ではないと思います。
私も、できている、とは言えません。
しかし、その見方によって、「健康」についての考え方や、
気持ちの持ち方、行動まで、大きく変わってくる、
そのことを理解して、「見ようとする」姿勢をとることが、大切なのだと思います。

そのような姿勢があるか無いか。
それが、一時は小さな違いでも、
長い年月を過ぎれば、健康面で大きな差になってくると思えてなりません。

その姿勢のきっかけを得るために、
自分の身体に、「食」や「指圧」などを通じて注意を向けるのは、
良い方法だと思います。

 *

やさしい本、と薦めておきながら、
ブログの短い文章の中での説明は難しく、わかりにくくなったかもしれません。

でも、たまには、
少し大きな視点で「生命」を考える時間をとってみてください。
この本はそのために、お勧めできる一冊だと思います。

最後になりましたが、今年も一年間、ありがとうございました!

【鈴木】

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